膝が痛い

膝の痛み症状チェック

膝の痛み症状チェック膝の痛みの原因は様々なので、患者様それぞれのお困りごとに合わせ、多岐に渡る痛みの原因に応じた最適な治療を実施します。

  • スポーツや階段昇降時に膝に自重がかかると不安定になる
  • 段々正座が難しくなっている
  • 膝が一直線に伸びない
  • 成長期に膝の下が出っ張っている、痛い
  • 膝を動かすと違和感がある
  • 膝を圧迫すると痛む、腫れがある
  • 動作の始めや起立しようとした時に膝が痛む

膝が痛くなる原因と疾患

変形性膝関節症

男性の4倍女性に多い病気で、動作をしようとし始めると膝に痛みが起こります。50代を過ぎた方によくある症状ですが、近年は40代の患者数も増加しています。最初は膝に水が溜まったり腫れが生じたりして、次第にO脚になっていきます。症状が進行すると階段昇降や正座が難しくなってきて、最終的には膝が変形してしまいます。そうなると、安静時でも痛くなり、膝が一直線に伸ばせなくなってしまいます。
治療では、軽症の場合は鎮痛剤の内服や鎮痛目的でのヒアルロン酸注射、物理療法を実施します。リハビリテーションでは膝関節の動きの改善、膝の筋肉をつける、正しい歩き方ができるように施術を行い、必要に応じて足底板を作る場合もあります。こうした治療でも症状に変化がないようなら内視鏡手術、人口膝関節置換術骨切り術といった手術を視野に入れます。

症状

初期には、階段昇降や起立・着席、坂の歩行時に膝が痛くなり、悪化すると平地を歩いても痛くなります。
これらの症状は身体を休めると緩和されてきますが、朝起きた時や長時間体を動かさずにいると、身体を動かし始める時に膝のこわばりや痛みが生じます。また、しばらく歩いたりしていると症状は緩和されていきます。
症状が進行して中期となると、身体を休めても痛みが残り、屈伸や正座ができなくなります。関節内部の炎症が強くなっており、膝に水が溜まりやすい状態です。
末期段階では、膝の軟骨はほとんどなくなって存在しません。クッションとなるものがない状態で骨と骨がぶつかってしまうため、歩行や起立、着席もできなくなるほど痛むようになり、普段の生活にも大きく影響します。

ジャンパー膝
(膝蓋腱炎)

いわゆる「ジャンパー膝」で、膝蓋腱炎膝蓋骨の下に存在している膝蓋腱の炎症によって痛む病気です。ジャンプする機会が多いバレーボールやバスケットボールの選手に多く、身体の使い過ぎで起こります。

症状

最初はスポーツ前後に膝が痛くなり、悪化すると痛みが増します。最終的には生活で行う動作でも痛むようになり、階段昇降や立ち上がる動作などでも痛みが出てきます。

膝半月板損傷・断裂

半月板は膝関節の内外に存在する線維軟骨組織です。Cの形をしており、股関節を安定させてクッションの役目をしています。
運動時の外傷や歳をとることによって損傷し、運動が原因の場合は膝前十字靭帯損傷と一緒に外側の半月板に発症することがよくあります。長時間経過すると、内側半月板も損傷する可能性もあります。
年齢が原因の場合は変形性膝関節症を併発しているケースが多数あり、内側半月板の変性断裂が大半を占めています。また、先天性の外側円板状半月板の断裂も存在し、若年の学生でも膝が痛くなる可能性があります。比較的アジア系の人種に多いとされている病気です。

症状

膝の痛み、屈曲困難、引っかかり、ロッキング症状で膝を真っ直ぐ伸ばせない、などの症状が現れます。

前十字靱帯(ACL)損傷

運動時のケガで発症することが多いですが、交通事故などの外傷でも起こる可能性があります。前十字靱帯は、膝関節内の大腿骨と脛骨を繋ぐ頑丈な靭帯で、損傷した場合の自然回復は難しいです。スポーツ中に起こるものには、バスケットボールやサッカー、スキーなどの急な方向転換やジャンプの着地が原因の非接触型、柔道、アメリカンフットボールやラグビーなどで膝関節が捻じれることが原因の接触型があります。
ケガをしてすぐは痛くても歩けることがありますが、時間が経ってくると段々歩けなくなってきます。これは、靭帯が損傷して出血することで関節が腫れ、痛みが増してくるためです。
初期症状は膝の腫れや痛みですが、そのままにしておくと歩くと膝がガクッと折れる膝崩れ症状や、軟骨が消耗する変形性膝関節症といった症状に繋がる可能性があります。
治療には手術による再建を要しますが、膝周囲の筋力アップができれば普段の生活の中での動きに支障がなくなる場合もあります。

症状

主な症状として、膝が不安定になる、ガクッと折れる、力が入れられない、内側の痛み、などが挙げられます。

オスグッド・
シュラッター病

膝を使い過ぎて膝下にある脛骨粗面が隆起し、痛みや腫れが生じる病気です。ジャンプや走る機会が多いサッカーやバスケットボールなどスポーツ選手によく起こります。
膝を伸ばした時の力は太ももの大腿四頭筋から膝の膝蓋骨を通じて脛骨粗面に伝わります。
そのため、膝の曲げ伸ばしを何度も行うと脛骨粗面の負担となりますが、成長期はまだ弱いため、負担がかかりすぎると軟骨部が剥離してしまい、発症へと繋がります。
成長期にかかる病気で、大抵は治ります。初期段階では膝を使わず休めることが必要で、症状悪化を防ぐには大腿四頭筋のストレッチが効果的です。整形外科への早めの受診をお勧めします。

症状

最初は身体を動かすと膝に痛みを生じますが、身体を休めると痛みが和らぎます。進行すると膝のお皿の下の骨が出っ張る、腫れて赤くなる、痛みや熱を持つようになります。お早めに整形外科にご相談ください。

鵞足炎(がそくえん)

膝屈筋腱は半腱様筋、薄筋、縫工筋から構成されており、膝の内側についている部位である鵞足に炎症が起こった状態です。大抵は運動での酷使、筋力低下や柔軟性の不足が原因で、炎症が強く痛みや腫れが生じている場合は、膝を動かさず休めることを必要です。

症状

発症してすぐは運動中や運動後に痛みが起こり、強い炎症が起こると鵞足部の腫れや熱っぽさ、圧迫した時に強い痛みが現れます。

膝の痛みの治療

膝の痛みの治療膝関節に起きている異常の原因を突き止めた後、患者様それぞれに合わせた対処法を考えます。膝は日常生活で常に動かす身体の重要な部位であり、何らかの症状が起きた場合はすぐに治療を始めることが重要です。膝関節靭帯損傷などは未然に防ぐのが難しいですが、予防できるケガも多いです。ケガをしても軽症の場合も多いですが、いずれも早めに整形外科を受診しての治療をお勧めします。膝の痛みや不快感にお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

膝が痛い時に
やってはいけないこと

決まった動作や生活習慣によって膝の痛みが進行することがあります。
以下の点に気を付けて、痛みのコントロールや回復を心がけましょう。

  • 運動のし過ぎは膝に大きな負担がかかって痛みを生じる場合があります。
  • 適度に膝を休ませないと損傷は良くならず、慢性障害となることがあります。
  • 痛みを放置すると、膝の組織の損傷悪化の原因となります。
  • 体勢が悪いと膝に余分な負荷をかかり、痛みを生じることがあります。
  • いきなり動き出したり方向を変えたりすると、膝に負担がかかって靭帯や半月板を損傷する可能性があります。
  • 誤った方法でストレッチや運動を行うと、膝の痛みを悪化させます。
  • 誤った方法のリハビリは痛みなどを悪化させ、回復の妨げとなります。
  • 自分の足に合っていない靴は、膝への負担が大きく痛みを生じる可能性があります。
  • 必要な治療を受けないでいると、将来的な問題や症状の悪化に繋がることがあります。
  • 栄養や水分が必要量に足りないと、身体だけでなく膝も回復しません。
  • 正確に症状を診断して原因を突き止めた上で、最適な治療法を選択することが大切です。
  • 膝の痛みについて正しく理解して知識を持っていると、ケガの早期発見、最適な治療、再発防止が可能です。